はなのうらばなし

50歳目前、人生残り半分、書くことを楽しみに生きていくことにしました

不甲斐なさを感じやすいお年頃

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同世代女性が流す涙にとても共感を覚えました

 

彼女は私より少し歳上のお姉様

新しく入ったパートさんです

柔らかい物腰と、落ち着いた口調、「お母さん」と呼んでしまいそうなほどの優しく穏やかな笑顔が飲食店にぴったりで即決で採用を伝えました

 

お勤めに出るのは久しぶりという事で、そんな自分がまさか採用されるとは思ってもいなかったそうで、とても驚き何度も「本当にいいんですか?」と聞いていました

そんな姿も可愛らしいなーと感じたのです

 

既存の従業員も「真面目で良い人が入ってくれてよかったですね」「続けてくれそうな感じですね」と好感触で、これなら周りとの調和も取れるなーと安心していたのですが、突然退職の申し出がありました

 

えーーーなんでーーー

 

内心、アワアワしてしまいましたが責任者として慌てふためく姿は見せられません

 

「どうして?何かあった?」

「いえ、ただ自分が何も覚えられなくて、、、皆さんにご迷惑をおかけしてしまうので、、、」

ポロポロと涙を流してそう言います

 

今まで何十回と退職者の理由を聞いてきましたが

、歳を重ねた人ほどこの理由を口にします

若い人は「覚えられなくて」とは言いません

 

たとえ覚えが悪くてもです(笑)

 

私自身もそうですが、歳を重ねた人は若い頃の自分と比較して情けなさや不甲斐なさを強く感じるのです

若い頃なら一度説明を受ければ理解でき、記憶できた事が、中年を過ぎると何度も繰り返さなければ理解も記憶も出来ない

いえ、何度か繰り返して理解や記憶出来れば上出来です

繰り返しても理解、記憶が出来ない場合もあるのです

 

それが歯痒く、悔しいのです

 

彼女に言いました

 

「覚えなくていいんですよ

この歳になると昔のように1度、2度では覚えられないですよね。それが不甲斐なくて悔しくて、周りにも迷惑かけていると思うと思うんですが、全く誰もそんな事思っていないので、大丈夫です」

 

更に涙をポロポロこぼし

「はい、皆さん本当に優しくて丁寧に教えて下さって、、、それに応えられなくて、、、申し訳なくて、、、これでは給料泥棒のようで、、、」

 

わかるーーー

 

私も今でこそ責任者の立場にありますが、入社当時は涙の連続でした

パートさんにため息をつかれたり、聞こえよがしに嫌味を言われたり、私が責任者になる事を「不安しかない」と言われた事もあります

(これだけは今でも根に持っています)

 

私が20代なら、、、

今の倍速で仕事が出来たのに、、、

ため息なんてつかせなかったのに、、、

何度もそう思ったものです

 

 

「大丈夫!大丈夫!ここだけの話、ほかの人も全然仕事覚えてませんよ(笑)」

 

冗談めかした、少し悪口にも聞こえてしまう私の言葉に少し和んだのか彼女の涙は止まりました

 

その後も「50歳手前の私がいかに覚えずして乗り切っているか」を話し

 

とりあえず3月中のんびりと構えて、仕事に馴染んでいってはどうでしょうか

それ以降、どうしてもしんどいのであればその時また考えてみましょうと、即退職は見送りとなりました

 

分かりすぎるほどの彼女の心うち

真面目で真剣に取り組んでいるからこその今回の申し出だったのだと受け取りました

 

 

「だって、まだ教えてもらったばっかりで覚えられないんだもーん」と開き直れる強さ、許される愛らしさは若者の特権ですね

 

、、、戻りたい

 

 

今日も書く事で気持ちを整える事ができました

お読み頂きありがとうございます

 

 

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