ゴディバに惨敗
今週のお題「チョコレート」
少しせつない貧乏女子のチョコレートメモリー
20歳
家の事情で高校生の妹と2人での人生が始まった
雇ってもらった喫茶店
学生やフリーターの若いアルバイトばかり
時給780円の時代に、生きる為、生活の為だけに身を粉にして働き毎月20万円のお給料を稼いでいた
それでも家賃、光熱費、食費、日用品、国民年金、国民保険、妹の学費を払えば綺麗さっぱりなくなる生活
そんな中でも、いつも仲良くしてくれるアルバイト先の男の子達にバレンタインのチョコレートを渡そうと張り切った
普段行くことのない百貨店
当時の彼氏に同行してもらい「バイト先の女の子から貰ったら嬉しいと感じのものはどれ?」と
ウロウロ、ウロウロ
寒い冬なのに汗だくになって選んだチョコレート
5人分
当日渡すこちらの方がワクワクで、順番に「はい!」と手渡し
それぞれ「ありがとう!」「あ、俺も?ありがとう」とみんな喜んでくれて胸がポッとなった
しかし、その後
やってきたのは、1人のアルバイト君の彼女
日頃から遊びに行く時や飲み会には一緒に参加していたその彼女
自営の社長の娘さんだと聞いたその彼女はみんなにチョコレートを渡し始めた
私の目の前で「うわぁーゴディバ!」「こんなん初めて!」「食べてみたかったー!」
チョコレートに頬ずりするアルバイト君たち
貧乏はやはり切ないものだと知った
20歳のバレンタインデー